一撃のもと心を砕く 割れた心境 それこそ心裏

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心の奥底は常に自分の寝床
落ちて着いて
それが落ち着くというのだ


うん、やっぱ元に戻ったね。シェノンです。




うちの母親は凄いです。
八時くらいにいきなり「電車乗って祭り行こう」とか、
「夏休み、東京行け」とか。
とにかく急です。僕の意思が入り込む余地を見つけようとしてみても、見つからねぇ。
弟と喧嘩したときも、弟の頭を思いっきり殴って逆に自分の手にヒビ入れましたしね^q^
少し落ち着けと言いたい。
いや本当。



まぁ、そんなこんなで後半は小説の続きです。
毎回長ったらしいので、嫌気がそろそろ差す頃ではないでしょうか?
とにかくキャラ見せは今回で終わりにして、次から本番って感じです。
3 卑小なる悲傷

「ところで君に小説家は向いていないようだ」
 十七夜月は原稿用紙代わりの大学ノートを綴じて、俺に向き直した。
「いきなり何だよ藪から棒に。お前が事件のあらすじを詳しく知りたいって俺に書かせたんだろ」
 小説なんて生まれて初めて書いたし、そもそも小説家になんてなりたいと思わないから向いていなくても全然構わない。だからってストレートに言うか普通? もしかしたらわざわざそれが言いたくて俺に執筆させたというただの意地悪だったのだろうか。それとも作中で書いた十七夜月の描写が気にいらなかったのだろうか。
 十七夜月はしかし、見たところ気を悪くした様子もなく笑っているので、言葉の通り悪気ない感想を述べただけなのかもしれない。
「君の地の分は少し回りくどいきらいがあるね。読み辛い、と読者によってはそう思うだろう」
 お前以外に読ませるヤツなんていねぇよ。
「それに、言っておくけど『初校』というのは開校みたいな意味はないんだ。漢字のイメージからだけで無闇に使ってはいけないよ」
 それは知らなかった。
 となると、初校ってどんな意味だろ。後で調べておこう。
 しかし何だか編集者に自分の原稿の感想を聞いている気分だ。何故俺はここまで真剣に指摘を受けねばならんのか。
「大体」
 十七夜月は呆れたようにクスリと微笑み、大学ノートを俺に手渡して、
「君はいつから大食漢になったんだい?」
 と尋ねてきた。
 まぁ、それは俺の想像上でしかなく、フィクションであり、オリジナル設定でしかないのは確かだ。
「けど別にいいだろ、少しくらい遊びを交えても……。ん、あれ? 俺ってお前の前で食事なんかしたことあったっけ?」
「いいや。僕の矮小な記憶力が確かなら、そんな嬉しいイベントにはまだ巡りあっていないな。そうだ、よければ今度、僕と何処かへ食べにいかないか?」
「じゃあ十七夜月、何でお前これが嘘だって分かるんだよ」
 十七夜月のセリフの後半を無視して、俺は切り進む。小説とは言え、これは俺の過去話。言うなれば報告書のようなものであり、例えどれほど文章が酷いからってそれ自体嘘が混じっていると、根拠なく思えるだろうか。
「ふふふ……、何だ、君は愛すべき読者のためにわざとヒントを与えていたのだと、そう思っていたのだがね。なるほど、素だったのか。ああ僕は嬉しい、僕とは違い天の才を持ち合わせているような巫部くんでも、やはり人間だった! 何て希望が持てる話だろう。君との距離が更に縮まった気がするよ」
「……」
 大げさに両手をバンザイさせている十七夜月は、何とも幼く見えた。というか実際、俺よりも年下なのだから幼い一面があっても不思議ではないのだが……。
 何か、狂うなぁ……。
「と、巫部くんの疑問に答えるのを忘れてはならないね。僕としたことが取り乱してしまったよ。……でだ、君はそのクラスメイトの久慈眠梨さんと昼食を一緒に食べていたわけだが、えーと何だっけ? 流石にメニュー名までは覚えていないけど、二人で十品を注文したと言ったね? いや、書いたね?」
 うーん、まぁ、書いた。かな。
「ここで注目すべきなのは、君たちの使っていたテーブルが六人用だと言うことだ。そこまで大きいテーブルが『たかだか十品で隙間なく埋まってしまうのか』僕はそこが疑問でならなかったのさ。学生といえば食べ盛りの時期だ、一人五品と言わないまでも少なくとも二品くらい注文すると思う。金銭の問題はここでは不要だ。何せその食堂は『全てのメニューが無料』だというのだからね。となると、定員である六人が皆、二品ずつ注文してもオカシクない。一人二品ということは、六人で十二品ということだ。あれ? 巫部くんと久慈さんの二人で十品置いても、あと一人分のスペースが余るぞ? 何処もかしこも満員の状態でこの二人は、たった二人で三人分の席を使うほど常識がないのか? なんて、コレを読んでいたとき僕は思ったものだ」
「散々な言われようだな……」
 あの笑顔でそんなこと思ってたのかコイツ。
「もちろん、僕のフレンドである巫部くんがそんなことをするわけがない。信じていたとも。そして確信を得るために読み進めていたら、やはりあったよ。君の無実を主張する文が」
 別に俺は罪を犯しているわけじゃねぇよ。
「君は六品頼んだ久慈さんよりも、四品頼んだ自分の方がまるでマシだと描写しているね。ふふふ……、ここですでに大食漢にしてはオカシイ。食べる量が多いのだから、二皿ぐらいで多いだの少ないだの意地を張れると思うかな。僕は思わなかった。これが普通の人の感性なら二皿の違いがあるなら十分だろうと思うかもしれないが、この作中では君も久慈さんも互いに大食漢となっている! これはもう微妙ながらも噛み合わない。もはや巫部くんが普通の胃袋を持っていたと判断するのが一番簡単だったのだよ」
 食べる量が多いから差も広がるって簡単な話だよ、と十七夜月は自慢するように胸を張った。いや、張るほど胸がないので、背伸びしているようにしか見えなかったが。
「……ま、そうだよ。確かに俺はそんなに食べる方じゃない」
 俺は素直に認めた。
 どっちにしたって、こんなのはお遊びみたいなものだ。トリックを切った貼ったしたわけでもないので真実が露見したところで何の未練もない。十七夜月が一人で推理ごっこして遊びに付き合ってくれた、ただそれだけである。しかし、話はそれで終わりではないらしく、
「しかし分からないのは、どうして君がこんな事をしたのかだ」
 十七夜月が頬杖を突いて、こちらに答えを求めてきた。
「君は何の意味も無く行動に移ることはあっても、何の感情もなしに行動には移れない男だからね。君がこうしたのには必ず、何らかの感情の干渉があったはずだ」
「……」
「どうしてだい?」
 はぁ、俺は堪らず溜め息を吐いた。
 やれやれだ。出来ればこんな話、したくなかったのだが。
「……テーブルが二人しか使えなかったのは本当なんだ」
「うん……?」
「俺が二品で久慈が……十品」
 二品と十品で十二品。
「……」
「……」
 俺と十七夜月は共に沈黙する。
 うん、あれは間違いなくモンスターだね。
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コメント
この記事へのコメント
十七夜月かわいいですね!
なんというか人をおちょくるような
回りくどい言い回しで
なんかちょっとむかつく感じが
読んでて面白いです。

次から本番ということで
十七夜月の活躍に期待!
あと巫部がんばれ。
2008/07/21(月) 10:00 | URL | 黄色 #tNbAf7jk[ 編集]
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